次世代型スーパーマーケットTRIALの挑戦(3/3)

2019.02.25

次世代型スーパーマーケットTRIALの革新性はどこにあるのか?そして、TRIALはどのように流通の未来を切り拓くのか? AIの活用事例として目が離せない「TRIALの挑戦」をサイエンスする。

次世代スーパーマーケットTRIALの挑戦(1/3)

次世代スーパーマーケットTRIALの挑戦(2/3)


 

TRIALは未来を拓く

 

TRIALの最新IT機器は、消費者の心理を掌握するために具体的にどのような働きをしているのでしょうか。

 

多くのスーパーマーケットにおいては、消費者の心理を把握するためにPOSやポイントカードを導入し、「お買い上げ情報」から来店客の行動を認識しているのが現状です。これは言ってみれば「出口での調査」であり、来店客の店内行動までは追跡できません。また、多くのスーパーの分析力・解析力に難があることは先に触れたとおりです。そして、お客様の店内行動を確認するために従業員が店内巡回して目視でプロファイリングする方法も採用されていますが、データとしての曖昧さは否定できません。

そこで、TRIALではAIカメラとスマートレジカートの導入により、「入口」から「出口」までの「中間のプロセス」をつぶさに認識し、導線情報や購買行動を時系列で正確に把握することを可能にしたのです。

 

■お客様はどの棚の前で立ち止まることが多いのか?

■この棚の前には、どの時間帯にどんなお客様が何分間滞在するのか?

■どの通路をどの方向に歩いてどの棚に向かうお客様が多いのか?

■手に取られる確率が高い商品は? また、手に取った後で棚に戻されやすい商品は?

 

TRIALではこれらの店内行動をすべて数値化し解析することで、店舗における商品カテゴリーの最適構成や品揃え、価格政策などを日々改善しています。店内レイアウトの改善によって、お客様の回遊率を大幅に上昇させることにも成功しました。

これらのデータやノウハウは自社だけでなく他のスーパーマーケットや小売業にとっても価値があることは言うまでもありません。また、商品メーカーにとっては、これまで取得してきた顧客の行動データが「自社商品の販売状況」と「スタッフによる店舗巡回」でしか得られなかった“断片的な情報”であったことを考えれば、TRIALのデータは喉から手が出るほどに貴重です。つまり、TRIALの店舗で採取するデータそれ自体にマネタイズの可能性が発生しているのです

 


いかがでしたか。

TRIALは、スーパーマーケットが抱える難題をITの導入によって全てクリアしようと日夜奮闘しています。まさに今この瞬間にもAIカメラやスマートレジカートがフル稼働しながら購買行動をデータとして蓄積しているのです。そして、消費者の心理に応えた店づくりをしていくためのノウハウを実践的に蓄えているのです。

TRIALは、データ解析を押し進めることで商品選定やレイアウトをパワフルに内製化し、「自立したスーパーマーケット像」を世界に示すフラッグシップと言えるでしょう。そしてTRIALの挑戦が目指すものは、スーパーマーケットに活力を取り戻し、生活者をより幸せにすることに他なりません。

 

 


 

参考資料:

『科学する店舗』(財団法人店舗システム協会・監修、東洋経済新報社・出版)

『リアル店舗の逆襲 対アマゾンのAI戦略』(リテールAI研究会・著、日経BP社・出版)

 

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