新たな種=AIは「神」として凡ミスをおかすのだ。
2019.03.11
「アルファ碁(AlphaGo)」が世界のトッププロに勝利して以来、AIが世間に急激にクローズアップされた経緯から、今日のAIブームは囲碁によって火をつけられたとも言える。早くからコンピューターがプロを打ち負かしていたチェスや将棋に比べ、囲碁のソフトがなかなか強くならなかったのは、「着手の選択肢の多さ」と「評価関数を決めるのが難しかった」ことが要因だが、乱数発生による試行錯誤の手法「モンテカルロ法」の導入以来、囲碁の世界では人間が培ってきた定石が覆されつつあり、盤上の論理に一種の「神」が降臨したと言われる。
その一方で、ソフトが弱かった時にはツボ(特定の論理回路)に入ったら絶対にミスをしなかったが、強くなったソフトは人間と同じようなところで凡ミスをするという傾向も顕著になった(将棋のプロの世界でも強い人にその傾向があり、一般的な人生でもそうであるように「ミスをしない人」よりも「ミスを恐れない人」の方が強い)。
「計算間違いをしない」というコンピューターの神話的な長所を切り捨てたときに誕生した新しい「種」こそがAIである…という視点から、シンギュラリティの問題や、人間とAIのコミュニケーションの問題を論じる。
(ヤフーTHE PAGE『凡ミスをするAI 新しい「種」とどう付き合うか?』2019年3月9日)
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