コーデ名人「カブキ」は秒速リコメンダー。

2019.03.18

ファッションベンチャーのニューロープ代表取締役・酒井聡氏によるファッション業界の最新AI事情。
新進気鋭企業のニューロープは、約300人のモデルと契約して「♯CBK」というファッションサイトを立ち上げ、カタログのように並べたスナップ写真から気に入ったコーデを選択すると、似ているアイテムが表示されて購入できるサービスを提供した。その後、手元に集まったスナップ写真とアイテムを結びつけた大量のデータを使ってAIの開発を開始。2017年春にファッションAI「♯CBK scnnr」(カブキスキャナー)をリリースした。
「♯CBK scnnr」はAPIやアプリで実用化され、コーデ提案やSNS分析によるトレンド予測などの手法で《ファッション業界のAI活用》を実現している。「MAGASEEK」では、SNSや雑誌からユーザーが見つけた「お気に入り画像」や「街で見かけた商品」を撮影して読み込ませると、類似アイテムを1秒で検索して一覧表示し、気に入ったアイテムを選択して購入できる。従来のレコメンドアプリは購入履歴を参照にしていたが、♯CBK scnnrは類似性と着合わせからコーデを提案するのが特徴。
また、人工知能ショップ店員「Mika」は、特定アイテムとコーデすると似合うアイテムを数秒で提案するLINE用のAI。指定されたテイストに合わせたスタイリングを即座に提案してくれる。
他にも、店内の監視カメラ映像の解析によって、来店客のコーデを分析してマーケティング支援に使うという方法を実用化したり、スナップ写真から自然言語生成してファッションに関する着こなしを解説してくれるサービスや、AIに読み込んだ柄をベースに「1950年代のアメリカの植物柄」などを生成させる試みをおこなっており、クリエティブ支援へのAI活用に意欲を見せる。
ECサイトで10万点もアイテムから自分の欲しいものを探す際の消費者の困難や、店員さんにアドバイスを受けられずコーデができないという問題を解消すると同時に、「自動予測が当たらない。商品が売れ残ると収益が上げられない。」という業界の危機感に対応していく。
(WEDGE Infinity『カブキスキャナーがファッション業界をAI化する!』2019年3月15日)

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