【胸熱】これぞ、AI開発5か条
2019.04.22
パーソナルトレーナーAIが、ユーザー個々の興味関心や悩みに適した健康メニューを推薦するヘルスケアスマートフォンアプリ「FiNC」は、撮影した料理の写真から栄養素とカロリーを自動計算する機能に、深層学習で生成されたAIモデルを活用している。
「FiNC」を開発するFiNC Technologies代表取締役CTO南野充則氏がAI研究開発プロジェクトを通じて得た「5つの教訓」を紹介する。
(1)AI開発プロジェクトは「アジャイル開発」で進める
深層学習はその理論を理解しても大部分がブラックボックスになってしまい、精度の評価が難しい。そのため、AIモデルの精度改善は、綿密にスケジュールを組むことが難しく、改善を繰り返しやすいアジャイル開発で進めるのが好ましい。
(2)評価方法を定めてからAI開発プロジェクトを始める
AIへの過度な期待があるため目的を設定しないとAIモデルの目的が曖昧になってしまう。しかも、AIモデルの開発は、学習データとAIモデルだけにフォーカスしてしまい、「評価する方法」を考えなくなってしまう。プロジェクトの開始時に「どのデータでどう評価するのか」を決めておくことで、AIモデル開発の目的を明確化しプロジェクトの見通しが良くなる。
(3)AIプロジェクトのゴールを「AIモデルの実装」にしない
AIモデルの実装後は、コードや設定だけでなく訓練済みAIモデルとデータも管理しておく必要がある。また、AIモデルの精度を確認しながらPDCAをスムーズに行えるようにシステム設計をしておくことが求められる。
(4)データセットの準備やアノテーションを丸投げしない
評価手法や目的を理解している人間が取り組む状態こそ最もパフォーマンスが出る。最初からの“外注だより”は時間の無駄を引き起こしかねず、まずは自社で取り組み、運用拡大フェーズになってから外注を検討すべき。
(5)AI/ML人材はソフトウェアエンジニアから輩出する
ソフトウェアエンジニアこそが、基本的な開発スキルを持ち、システムの流れを把握している上に、課題の理解や現状分析の能力にも長けているので、深層学習や機械学習を活用してサービスを開発できるソフトウェアエンジニアに成長させることができる。
(@IT『「データセットの準備を丸投げしない」――健康管理アプリ「FiNC」AI開発5つの教訓』2019年04月16日)
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