「日本語の壁」のおかげで貧しいままのUXだが、AIなら解消してくれるんだよね? だよね? ね?
2019.05.13
あらゆるものがどんどん便利になっていく「AIの時代」に、わが国のWebサービスのUX(ユーザー体験)は貧しいままだ。
例えば、Excelなどのスプレッドシートでは、一部の「数値」が「数字」として入力されたことで計算が合わなくなってしまうし、以前には「数値」のつもりで入力した「全角の数字」が計算されないこともあった。
住所の所番地を入力するWebサービスのUXでは、住所の入力が全角に限定されていて「1-105」などの番地は「1-105」と全角で入力しなければならない。
半角カナ撲滅論争や、かな漢字変換をはじめ、あらゆるデジタルトランスフォーメーションに大きなハンディとなってきた日本語という言語は、専用の処理系(日本語IMEなど)を介さなければ自国語を入力できない上に、横書き・縦書きという2種類のレイアウトにも対応する必要があるなど、今後のAI対応にもいろいろとハンディキャップになる可能性がある。
それをなんとかしてくれるのが最先端のテクノロジーではあるはずなのに、人間が自力でどうにかしなければならないのが実情だ。これでは、システムは人に対して優しくない。
一方、Google I/Oで発表されたAndroid Qの「Live Caption」(あらゆる音声コンテンツに字幕をつけられる機能)は、聴覚障がいを持つ方や、理解できない外国語のコンテンツを楽しむときに役立つ。
また、Microsoftの開発者向けカンファレンス「Build」で発表されている「インテリジェントエージェント」(人間との会話ができるAIエージェント)は、さまざまなサービスとのやりとりをして「人間がやりたいであろうこと」を実現してくれる。
こちらは自動的に救済してくれる「人に優しいシステム」である。
特殊な存在を意識することなく想い通りのことができる世界を堪能できるように、「使う人がなにを求めているのか」をソフトウェアエンジニアが理解できなければAIが育つわけはない。
では、そのために「人がすべきこと」とは…?(以下、本文にて)PC Watch『数値と数字のちがいを理解できないAIならいらない』2019年5月10日)
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