【第二の白い巨塔!?】医療分野にそびえたつ壁がAI戦略の障害に…

2019.05.27

政府がAIをデジタル社会の「読み書きそろばん」とする「次の人工知能(AI)戦略」として、2025年までに数理やデータサイエンスの基礎を全ての学生が学べるよう大学教育を改革する方針が打ち出された。そのことで、AIの実装があらゆる領域に求められている。


ところが、医療分野では特有の壁も存在するという
(1)医療現場へのAI導入において重要な「情報の電子化」だが、すでに電子化されている現在のカルテ情報にも統一のフォーマットはないため、AI開発に必要なデータを抽出することが難しい。そのため、医療用語に特化した辞書の作成と実装が求められる。

また、AIは数字の処理や記憶は得意だが、文脈に沿って単語を理解することが苦手であり、ひとつの単語が複数の意味を持つことが多い医療用語の問題を克服することが求められる。

現在、日本医学会の用語委員会の協力のもと医療に特化した辞書の作成が進められており、ディープラーニングによって用語の関連性を判断できるよう検証が重ねられている。


(2)同じ疾患を指す複数の表現が存在するなど、医療用語ならではの標準化の難しさがあり、それらを辞書に従って表現を統一し、使える情報として蓄積させていくことがAI開発には欠かせない。現場の仕事がAI開発に特化した情報収集へ変わってしまうことは避けつつ、情報活用の仕組みへの理解が今後求められていく。

現在、音声認識の技術を応用したカルテの自動文書化システムの開発が進められており、診察時に医師がカルテへの記録に時間が割かれてしまい、患者とのコミュニケーションの時間が少ないという問題を解決していく。
(ニュースイッチ『AI活用求められるが…医療分野に立ちはだかる特有の壁』2019年05月25日)

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