【技術継承問題】「おやっさん、あっしが引き継ぎやす!」⇒匠「AIが言い出すと思ってた…」
2019.06.03
電通・電通国際情報サービス・双日は、水産物市場の仲買人らの「伝統の技」であるマグロの「尾切り検品」をAIの画像解析技術によって行う、冷凍天然マグロの品質判定システム「TUNA SCOPE」を発表した。
スマートフォンで天然マグロの尾部断面を撮影し、システムを作動させることで、「身の締まり具合」や「脂の乗り方」を自動で瞬時に分析し、品質を4段階瞬時で判定する。水産加工業者がマグロの検品業務に使用したところ、判定結果の約85%が目利き職人の評価と一致した。
3月に行われた実証実験では、熟練者によって4~5段階の品質評価を行ったマグロ尾部の断面写真と検品データをAIに取得させ、画像解析を行うためのシステムを構築した。さらに集められたデータにより、チューニングとディープラーニング・アルゴリズムを選定し、アプリとしてスマホに実装した「TUNA SCOPE」(β版)を開発。(1)品質判定の精度、(2)最高品質と判断したマグロの市場評価――の2項目を検証して一定の手応えを得た。
このアプリは、「熟練職人の技術継承をめぐる問題」に関してAIを活用して取り組む「プロジェクト 匠テック」の一環事業で、少子高齢化の影響で取り沙汰されているさまざまな産業における熟練職人の技能継承をめぐる課題について、AIなどの技術活用で対策を探る取り組みの一つ。職人の後継者が不足する中で、勘と経験に基づく目利きの技術を後世に残す狙いがある。
(ITmedia「天然マグロ」の品質、AIが判定 職人の目利きと約85%一致)2019年05月30日)
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