自動運転車が認識したアレは子供?プラダのバッグ?⇒ニューラルネットワーク「お金がかかりそうなことまでは認識しました…」

2019.07.01

《AIベースの自動運転車》の開発者にとって、解決することが最も難しい問題の1つは 「安全な自律性を実現すること」である。
自分が運転している自動運転車が、道路を渡っている母親と幼い子供に衝突することなく走行できたとしても、それは全くの偶然かもしれず、仮に自動運転車が母親を認識できていたのだとしても、ニューラルネットワークが《母親の腕につかまって飛び跳ねている小さな物体=幼児》のことをプラダのバッグだと考えたかもしれない。そのようにニューラルネットワークが混乱していた可能性を否めない。
「自動運転車が幼児とハンドバッグとの違いを確実に学習できるように、ニューラルネットワークのアルゴリズム内の不具合を効率的に特定して修正できるツールはあるのか」という疑問に一石を投じる企業が現れた。
米国ペンシルベニア州ピッツバーグのベンチャー企業『Edge Case Research』は、カーネギーメロン大学から集まった自動運転/安全関連ソフトウェアの専門家によって設立され、認識スタックのエッジケースを識別する安全性評価プラットフォーム『Hologram』を開発している。※エッジケース=境目ぎりぎりで起こる特殊なケース
CEO、Michael Wagner氏によれば、ニューラルネットワークの実世界データに対する反応を継続的に監視、分析することこそがより重要なのだという。
現在、《シミュレーション》は仮想的に走行マイルを構築することで認識ソフトウェア、AI、深層学習アルゴリズムがどのように状況に対処するかを確認する方法として、自動走行車メーカーに広く評価されているが、Hologramは《シミュレーションソフトウェア》ではなく、むしろ、自動運転車メーカーが記録した全てのマイルを活用して、ニューラルネットワークが実世界のデータに対してどのように反応するかを分析するためのツールとして機能する。対峙した例について、認識ソフトウェアを知的にテストするプラットフォームであり、自動運転車メーカーは独自のセンサーデータを使って、Hologramにリスクを特定させることができるもので、Hologramは本質的に信頼性をより高めるために開発者がアルゴリズムを再学習させる上で必要な情報を提供する。
Hologramは、カメラや自動車の中に搭載され、どんな不意な状況でもリアルタイムでキャプチャーし検出できるようになることを目指す。
(EE Times『ニューラルネットだって混乱する!その対策は?』2019年06月28日 11時30分)
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