【朗報】ニッポンの競争力とAI人材の収入に関するバクアゲ計画
2019.07.16
日本の競争力を高めるために「AI人材」をどう育成するか
「日本がAIの分野で世界と戦っていくために必要な教育」について経営コンサルタントの大前研一氏が海外の事例をもとに考察する。
国家にとって非常に重要な「グローバルな競争力を持った人材を輩出できているかどうか」という点において、今の日本はお粗末極まりない。なぜなら、大量生産・大量消費時代の人材教育手法のままであるからだ。スイスのビジネススクールIMD(国際経営開発研究所)が発表した2019年の「世界競争力ランキング」で、日本は1997年以降で最低の30位となり、アジアでは中国(14位)、台湾(16位)、マレーシア(22位)、タイ(25位)、韓国(28位)よりも下になってしまった。
来るべき「シンギュラリティ(AIが人間の知能を超える技術的特異点)の時代」には、AIに仕事を奪われないスキル=AIやIoTを開発したり駆使したりするスキルが求められ、AIでアメリカや中国などに後れを取らないようにするには数百万人のAI人材が必要となる。さらにAI先進国になるためには少数でも傑出した人材が不可欠となる。
日本でグローバルな競争力を持った人材を育成する仕掛け作りが急務となっている中、シリコンバレーではテクノロジー教育の専門機関が次々に設立されている。中でも、フランス発祥のコンピュータープログラミング学校『42(キャラントドゥ/英語ではフォーティーツー)』(サンフランシスコ・ベイエリアなどに展開)の中身がユニークだ。
『42』はフランスの実業家ザヴィエ・ニエル氏が私財を投じて2013年に設立。学費は「完全無料」で、18歳以上なら学歴とは無関係に誰でも入学可能。教室も教師も存在しない校舎にある数千台のパソコンを24時間・365日自由に使用し、各個人のレベルに応じてパソコンから自動的に課題が与えられ、学生同士が教え合う「ピア・ツー・ピア」方式で授業が進められる。
規定の試験に合格した者はアルバイトが可能になり、GAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)などのIT企業からパートタイムの仕事を受けると、アルバイトでも年収が1万5000ドルから始まって最高5万ドルほどになり、3~5年後の卒業時には初任給10万~15万ドルの人材に育つという。
(マネーポスト『日本の競争力を高めるために「AI人材」をどう育成するか』2019年7月12日)
関連記事
TAG CLOUDS
TOPICS
-
手書き文字の答案をAIが採点⇒ワイの達筆についてこれるものなら…
大量の“手書き答案”をAIが98%の精度で読み取る! 小学校の新学習指導要領全面実施(2020年4月から)に向け、テクノロジーで教育にイノベーションを起こす「EdTech(エドテック)」領域を手がける企業の取り組み本格化が見込まれる。(「EdTech」は、EducationとTechnologyを組み合わせた言葉) 新学習指導要領では小学5・6年生を対象にプログラミング教育が導入されるため、文部科学省、総務省、経済産業省が、機運醸成を目指し、この9月を『未来の学び プログラミング……
2019.08.26
-
【ファッショントレンド】オーダースーツにAIソムリエ!?乗り遅れるな、おじさん
AIがお客の警戒を解く 高島屋がオーダースーツ売り場で人工知能導入の背景 高島屋、一部店舗で展開する紳士服のオーダーサロン『タカシマヤ スタイルオーダー サロン』で、人工知能(AI)を活用した接客ツール『感性AIソムリエ』を常設展開する。『タカシマヤ スタイルオーダー サロン』は高島屋が2017年から紳士服のパターンオーダーを提案するスタイルのサロンで、都市部の5店舗で展開している。 団塊世代の退職ラッシュや、職場のカジュアル化などでスーツ需要が減りつつあることに伴い、現在のス……
2019.08.26
-
【介護革命】ケアマネージャーのケアプランをAIが支援
人工知能で介護は変わるか。 福祉プラットフォームを展開する福祉ベンチャーのウェルモは、11.7億円の資金調達(シリーズB)を実施した。これで、同社が実施した資金調達の累計額は約17億円に達する。出資した主な企業は、あいおいニッセイ同和損保、アカツキ、グローバルキッズCOMPANY、コニカミノルタ、eumo、LINE Venturesなど。 ウェルモは、介護サービスプラットフォーム「MILMO」や人工知能を活用したケアプラン作成支援の「ケアプランアシスタント」、障害児童支援・教育を……
2019.08.26