【10年前の予言的中か!?】サマーウォーズ「ネットの中だからって、何でもやっていいと思ったら、大間違いだ!」

2019.07.22

『サマーウォーズ』劇場公開から10年

AIや仮想通貨の進歩で現実の脅威とならぬよう「よろしくお願いしま~す!」


2009年8月1日に劇場で公開されて今年で10周年となるマッドハウス制作のアニメ映画『サマーウォーズ』(監督:細田守/脚本:奥寺佐渡子)はテレビの地上波放送ではすっかり夏の風物詩となっているが、今年も7月19日に日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』で放送された。
『サマーウォーズ』は細田守監督ならではの「家族」「絆」「女性の強さ」に関する描写の魅力に加え、舞台となる『陣内家』とインターネット上の仮想世界『OZ』を対比させることで、それをさらに強く印象づけることに成功した作品と言える。
劇中で「買い物、公的手続き、会社の業務決済など生活のすべてがOZアカウントに頼っている」と紹介される仮想世界『OZ』に『実験用ハッキングAI・ラブマシーン』が侵入したことによって現実の世界が混乱に陥り、数学が得意な高校生の主人公・小磯健二(声・神木隆之介)やヒロインの篠原夏希(声・桜庭ななみ)と、格闘ゲームが得意な夏希の又従兄弟で中学生の池沢佳主馬(声・谷村美月)をはじめ陣内家の人々が難局に立ち向かう物語だ。
『サマーウォーズ』の公開から10年の時を経て現実世界で技術が進歩するなかにあって、観る側の受け止め方も少しずつ変化せざるを得ないことが実感される。
10年前の『サマーウォーズ』公開時には、家庭でスマートコンピュータが普通に使われ、しかも音声で命じるだけで「承知しました」と対応することなど想像できなかった。ところが、この10年間で現実社会のAIは格段の進歩を見せ、ネットの仮想世界も大きく変わり、多くの社会的な問題を生み出した。例えば、ビットコインなどの仮想通貨の広がりによってマネーロンダリング(資金洗浄)の危険性が高まる中、27億人が利用しているフェイスブックが2020年から仮想通貨『リブラ』の運用計画を発表している。フェイスブックはセキュリティ対策などは万全だと言うが、もしも『ラブマシーン』のようなAIが開発されとしたならば、『サマーウォーズ』で起きた騒動は現実のものになるかもしれない。
2018年3月に亡くなったスティーヴン・ホーキング博士が「ドナルド・トランプ米大統領の言動」「フェイスブックやグーグルなど巨大企業による情報支配」「AI開発の必要性と危険性」を不安視し、特に「AIが完全に人間の代わりになるのではないかと恐れています」と警鐘を鳴らしていたことも思い出される…。
(テックインサイト『『サマーウォーズ』劇場公開から10年、AIや仮想通貨の進歩で現実の脅威とならぬよう「よろしくお願いしま~す!」』2019年7月20日)

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