負けられるものなら負けてみな! 世界最弱のオセロAIでございます(キリッ

2019.07.29

「負けるのが難しい」…世界最弱のオセロAIを体験

日本のAI会社AVILENが開発した『世界最弱のオセロAI』が話題を呼んでいる。
人気MOBAタイトル『Dota 2』のAIチームがプロプレイヤーを破るなどのゲーム業界での話題とは逆行して、人間が負けることが難しい「最弱AI」は、記事執筆時点でのAI戦績が21勝5609敗6引分という見事な負けっぷりを誇る。
同社CTOの吉田拓真氏によれば、「最弱AI」は2016年に東大工学部の学生だった吉田氏が、当時のAlphaGoの影響で興味本位・勉強も兼ねて個人で開発したもの。研究のあいまを使ってAlphaGoの論文を含め、多くの資料を参考に深層学習とC++の勉強を一からやり、ライブラリを使わずC++スクラッチで深層強化学習を実装し、オセロに応用した。
吉田氏がYouTubeの動画で見た「負けに来るオセロ」(相手が最善を打つ前提で評価の悪い手を選ぶ手法)が、あまり弱くなくてランダムに勝つこともあるレベルだったところ、コードを1行変えれば「とことん弱いAI」を学習できることに気づき、絶対に相手に勝たせるAIが完成した。
【最弱AIの特徴】
・本来12手探索できるところをサーバー負荷やユーザー体験のために半分の6手探索に設定している。(AIの計算は0.1秒)
・ユーザー体験のためランダム性をもたせており、必ず最善を打つわけではない。
・強さを比べる対象がないので、あまり検証をせずに学習を止めている。
【深層強化学習AIの他の手法にないメリット】
1.人間が教えるわけではないので、どんなルールにも対応できる。
2.自己対戦で学習するので、棋譜がいらない(人間の手を全く学習しない)
(『「負けるのが難しい」…世界最弱のオセロAIを体験―開発者に誕生のきっかけを訊いた』2019年7月26日)

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