【呆然】人間の孤独感を無感情に分析する心理カウンセリングの黒幕はAIだった…
2019.08.19
これはディストピアか、ユートピアの前触れか?
インディーゲームスタジオZachtronicsがPC向けに配信開始したビジュアルノベル『Eliza』(イライザ)がすごい。
世界的IT企業スカンダが提供する“イライザ”は、ディープラーニング技術を応用して安価かつ幅広く効果的に心理カウンセリングを提供するサービスという設定で、近未来のシアトルを舞台に、プロクシーとして働き始めることになった30代の日系アメリカ人女性イブリン・イシノ-オーブリーを中心に展開していく物語。ユーザーが選んだセリフによって反応が変わる局面は設定されているが、終盤まで物語の分岐はほぼなく、基本的にはほぼ一本道のストーリーをインタラクティブに読み進めていくスタイルのゲーム。
プロクシー(代理)は相談者とイライザを繋ぐ代理人であり、個室の中で対面式のカウンセリングを行うが、専門的なトレーニングを受けた心理カウンセラーではない。分析や判断はプロクシーではなくデータセンターのイライザAIが行い、カウンセラーとしての応答内容までがリアルタイムに決定され、プロクシーはARグラスに表示された“セリフ”をそれらしく読み上げる。
相談内容に対していかなる感想を抱こうとも、イライザが決めたセリフを言わされるという設定と、たった1択の選択肢を強制的に選ばされるゲームとしての仕組みがシンクロし、現代社会における孤独感やコミュニケーション不全、社会との軋轢や疲労感、家族を持つことの重圧、挫折しつつあるキャリア、終わりがゆっくりやってきているどん詰まりの絶望など、相談者たちが抱える現実的な問題が浮き彫りになる。そして、物語はIT産業が抱える巨大データとエンジニアの倫理といったテーマに関わっていく…。
『Eliza』は1520円で配信されており、対応言語は英語のみ。
(ファミ通.com『これはディストピアか、ユートピアの前触れか? AIが人間をカウンセリングする“ブラック・ミラー”的未来を描くビジュアルノベル『Eliza』』2019年8月13日)
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